患者様に「最適」な入れ歯を
歯を失った際の治療法には、入れ歯だけではなくブリッジとインプラントがあります。入れ歯は、古くから用いられている治療法の1つで、歯の機能を比較的速やかに補えます。
当院では、保険診療と自費診療の入れ歯の中から患者さまのお口の状態やご希望に沿った入れ歯をご提案いたします。使い心地の良い入れ歯、目立たない入れ歯など、どのようなご希望もお気軽にご相談ください。
入れ歯治療の経験が豊富な歯科医師が患者さまに適した入れ歯を提供いたします。
入れ歯のメリット・デメリット
メリット
幅広い症例に対応できる
入れ歯は、1本から全ての歯が抜けた症例まで対応できます。ブリッジは数本程度の症例にのみ対応できる治療法で、インプラント治療は顎の骨や全身状態によっては受けられません。入れ歯は多くのケースで適用できる治療法です。
保険診療の入れ歯なら費用を抑えられる
保険診療の入れ歯を選ぶことで、費用を抑えて歯の機能を補えます。
取り外して洗えるため清潔に保ちやすい
入れ歯は自分で取り外して磨けるため、清潔な状態を保ちやすいことがメリットです。
壊れても修理が簡単にできることが多い
入れ歯は修理が比較的容易です。
また、新たに歯を失った場合でも、比較的速やかに入れ歯を適用できます。
歯茎のボリュームを補える
入れ歯には、床(しょう)という人工の歯茎がついているため、退縮した歯茎のボリュームを増やすことができます。
治療期間が短い
入れ歯は、型どりから3~4回の治療で完成するため、歯の機能を素早く補えます。
対してインプラント治療は、数ヶ月~1年程度の治療期間が必要です。
デメリット
装着時に違和感を覚えやすい
入れ歯は、レジンの床が口の中の粘膜を覆うため、ブリッジやインプラントと比べて装着時の違和感が大きくなります。次第になれて違和感がなくなりますが、苦手に感じる方もいます。
噛む力が弱い
入れ歯は歯の土台がないため、ブリッジやインプラントと比べて噛む力を発揮できません。
ただし、入れ歯がなじむと、硬いものでも問題なく噛めるようになるでしょう。
外れる場合がある
歯茎が痩せていたり入れ歯が合わなかったりすると、入れ歯が自然に外れてしまう場合があります。
顎の骨がやせる場合がある
入れ歯は顎の骨に刺激を伝えられないため、顎の骨が次第にやせてしまう場合があります。
その結果、入れ歯が合わなくなるため、定期的な調整が必要です。
部分入れ歯の金具が目立つ場合がある
部分入れ歯は、金属の金具を周りの歯に引っかけて固定する仕組みです。口を開けたときに金具が目立つ場合があります。
部分入れ歯は周りの歯に負担をかける
部分入れ歯の金具を引っかける歯に負担がかかります。また、金具を引っかける部分に歯垢が溜まり、むし歯や歯周病のリスクが高まります。
保険の入れ歯と自費の入れ歯
保険診療の入れ歯 | 自費診療の入れ歯 | |
---|---|---|
素材 | 総入れ歯は床の素材がレジン、部分入れ歯は留め具が金属 | さまざまな種類の中から自分に合った素材を選べる |
構造 | 構造があらかじめ決まっている | さまざまな構造の入れ歯を選べる |
見た目 | 入れ歯だと一目でわかる | 自然な見た目で入れ歯だとはなかなか気づかれない |
違和感 | 厚みと大きさの問題で装着時の違和感が大きい | 薄く作れる素材を選べば装着時の違和感を抑えられる |
機能性 | 硬いものを噛むときに違和感がある | 噛む力と噛み心地に優れた入れ歯を選べる |
熱伝導性 | 飲食物の温度が伝わりにくい | 飲食物の温度が伝わりやすい金属素材を選べる |
修理 | 強度は低く、修理は容易 | 素材によっては修理が難しい |
部分入れ歯と総入れ歯
部分入れ歯
部分入れ歯は、1本でも歯が残っている場合に適用します。残った歯に金具で引っかけて、歯を失ったところに固定します。金具がついていない自費診療の入れ歯を選ぶことで、見た目の問題を解消できるでしょう。
総入れ歯
上下いずれかの歯をすべて失った場合に適用します。
床を口の中の粘膜に吸着させて固定する仕組みです。口の中の粘膜が覆われることで飲食物の温度を感じにくくなりますが、自費診療の金属素材を選べば食事の楽しみが失われにくいでしょう。
入れ歯の種類
自費の入れ歯
ノンクラスプデンチャー
上下いずれかの歯をすべて失った場合に適用します。
床を口の中の粘膜に吸着させて固定する仕組みです。口の中の粘膜が覆われることで飲食物の温度を感じにくくなりますが、自費診療の金属素材を選べば食事の楽しみが失われにくいでしょう。
ノンクラスプデンチャー+金属床
金属はレジンよりも強度が高いため、比較的薄く作れます。
金属床とノンクラスプデンチャーを組み合わせることで、優れた強度と装着感を実現できます。
金属床義歯
床が金属製の入れ歯です。強度に優れた金属を使用するため、薄く作れます。
装着時の違和感が少なく、飲食物の温度を感じやすいことがメリットです。
コバルトクロムとチタンの違い
金属床義歯には、コバルトクロムかチタンを使用します。コバルトクロムは金属アレルギーのリスクが少ない素材です。ただし、コバルトクロムアレルギーがある方は使用できません。チタンも金属アレルギーのリスクが少ない素材です。
また、十分な強度があるうえに、コバルトクロムの4分の1程度の重量しかありません。装着時の違和感がさらに少ない入れ歯を作れます。
保険の入れ歯
レジン床義歯
床がレジン製の入れ歯です。厚みがあるため、装着時の違和感や飲食物の温度の伝わりにくさなどが問題となります。
保険適用のため、自費診療の入れ歯と比べて安く作製できます。
入れ歯のメインテナンス
入れ歯は、天然歯と同じようにメインテナンスが欠かせません。食後は入れ歯を外して水ですすぎ、汚れを十分に落としてください。落ちない汚れは、入れ歯専用ブラシでやさしく磨いて落としましょう。就寝前は入れ歯を外してよく洗い、水につけておきましょう。
また、口の中は日々変化するため、定期的に入れ歯の調整が必要です。合わない入れ歯は装着時の違和感が強く、食事や会話に支障をきたす恐れがあるため、使用感に問題がなかったとしても定期的に調整することが大切です。